6.01
『マジシャンズ』
そうそう、で、一昨日レイトショーで見た映画は韓国のソン・イルゴン監督作品『マジシャンズ』。なんと、95分ワンシーンワンカットという、んな無茶なと突っ込みたくなる作品。どんなもんかと気になりつつ、でも、そういう変わったことした作品ってたいがいにおいて映画としてつまんなかったりするからあんまり期待してないけどまあ劇場近所やし、くらいのノリで見に行ったら、これが意外と面白くて嬉しかった。
雪が積もる山の中に建つ小さなカフェを舞台に、元バンドのメンバーだった4人の男女が自殺した友人の命日に集まる。カメラがゆらゆら動く中で、舞台は現在になったり過去になったり女は幽霊になったり実在したり。カットは続いてるのに時間があっちこっちに移動する感覚や、人が動くことでしか変化しない場所の意味が、強く演劇を感じさせるけど、このラストシーンの美しさは映画でしか有り得ないとつい涙してしまった。そしてその時これが95分ワンカットで撮られた意味が理解出来た。
登場人物のキャラクターや外見の好みが気に入らない、という個人的な思いはあるものの、最近のアジア映画の新作としては結構ヒット。ポップで可愛くて上質なものって結構日本以外のアジア人監督の方が上手いよな、とたまに台湾映画なんかを見て感じる感覚を久しぶりに思い出した。チャン・ヒョンソンという俳優さんが篠崎誠監督にそっくりだった。