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7.09

大三章

芝の王者フェデラー様、ウィンブルドン5連覇おめでとうございます。本当に、本当に夢と感動をありがとう。

まさか27歳になって深夜に家で1人テニスの試合を見ながら本気で落涙するとは思わなかった。いやあええ試合やった。ナダルもすごかったけどねー、やっぱフェデラー。途中珍しく感情的になった場面では大丈夫かしらと不安になったけど、そっから自分を立て直す強靭さ。かっこよ過ぎにも程があります。

でですね、やっぱりスーパー暗黒な幼少時代を「4時ですよ〜だ」と「夢で逢えたら」に本気で救われた人間としては、松本人志が何をやろうとどんなものを撮ろうと全てはオッケーなのです。ちょっとでも否定するなんて有り得ないのです。別に彼を天才だとか言いたいわけじゃなく、ただほんまに笑わせてもらったから。だから『大日本人』だって見る前から気持ち的には絶賛なんですが、でもまあ一応実際見とくかということで。

大佐藤がメインのシーンは普通に映画として中々面白く(窓が割られるタイミングとか、夕方の電変所とか)「うわ、さすが松本!」と本気でびびったのですが、大日本人が活躍しだすと途端に退屈になるのが残念。でもそのビジュアルが明らかにただの奇形だったり、一匹目の獣(じゅう)が海原はるか(松竹の芸人さんだとついさっき知った。吉本と思ってた)だったりしたことは嬉しく、確かにTVじゃ出来ないことをやってるなとは思った。はるかかなたのネタがどれだけお客さんに通じるのかはわからんけど。

しかし後半の映画の持っていき方は、確かに「TVで出来ることを映画でやるな」と突っ込まれても仕方ないかもと思わなくもなかったが、こないだTVのインタビューで「松本さんにとっての笑いとは?」という質問に松本自身が「サービス精神」と答えていたのを思い出し、これは彼なりの(そして彼としてはちょっとわかりやす過ぎる)サービス精神なんだろうなと思ったりした。あくまで擁護。それにしてもこの人、ワンカットでなんでもかんでも撮るの好きねー。

そして今回はちゃんと西池公園を避けて通って、青山真治監督の『AA 第三章非時と廃墟そして鏡』を見に行く。

今回の章は、本(「間章クロニクル」)を読んでみても、まだ今イチはっきりしなかった間章について語ってる人たちの生前の間章との距離感というか関係がちょっとわかった、気がした。みんな言ってることがバラバラで聞いてて面白い。後半の大友良英さんのライブがかっこよくて痺れる。

81分という尺、ただほんとに人が喋ってるだけの映像、それなのに『大日本人』より「ああ映画見た」と思える謎…。でも松ちゃんは悪くない。