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7.26

温そ恋

今年こそはカナザワへ行くべきかと逡巡しながら、とりあえずラピュタ阿佐ヶ谷さんに鈴木則文監督の『温泉みみず芸者』(71年)を見に行く。

タコツボと呼ばれる名器を持った主人公(池玲子)が母親のために体を張って頑張って働く、だけの話の様な気もするが、期待を裏切らない則文先生のエロとギャグと女の裸と名和宏と謎の外タレ。それだけでも充分満足だったのだが、ラストのセックス三番勝負には思わず「すげー!」と声を上げてしまった。突然のふんどし男と長襦袢女の追いかけ合いのスローモーション、そのまま波打ち際でセックス、挙げ句には水中でセックス。『サンゲリア』の水中でゾンビVS鮫シーンを見て以来の衝撃を受けました。いやはや。私たちの変態度なんてまだまだ甘かったと反省。

若々しい池玲子が可愛らしく、一瞬映ったノーメイクも意外とよかった。小麦色のお肌もぷるんぷるん。なんで脇毛を剃ってないのかは謎。

うまいこと夕立を避けながら渋谷に移動し、シネマヴェーラさんの清水宏監督特集に向かう。

超楽しみにしていた『その後の蜂の巣の子供たち』(51年)が直前にデジタル上映だと知ってかなりずっこけたが、まあ仕方なし。

成長した戦争孤児たちが坊主頭&オーバーオール姿で走り回ってる姿を見るだけで涙。ヨシ坊生きてたのね!と涙。子供がひとり都会の街を彷徨う姿を見て涙。以上(昔の大阪が見れて嬉しかった)。

そんな状態なのに、劇場で遭遇した友人に「ほんまに泣けますよ」と念を押されて『恋も忘れて』(37年)を続けて観賞。で、涙。

戦後の横浜でホステスをしている主人公(桑野通子)と小学生の息子の母子家庭。性産業に置ける労働組合問題とか子どものいじめとか在日外国人とか、よく考えると色々重要な問題が語られてる映画な様な気もするが、とりあえずモノクロの画面が渋過ぎてかっこよ過ぎてうっとりすることにいっぱいいっぱい。やたらと天井の高い妙な造りのダンスホールで洋服(そこ以外は全部和服)を着た桑名通子が妙なダンスを踊りだすシーンの異様な美しさと言ったらもう。

でも後半の母子のやりとり、息子が雨の街をひとりでひたすら歩くシーンでは悲しい展開に涙止まらず(またこの子役がうまいこと)、ラストカットの子どもたちの姿の恐ろしさ(だって、いじめてた子が結果自殺するより、自分たちのせいで病気で死なれる方が絶対怖いはず)に震える。もの凄い映画であった。

桑野通子がとにかくかっこよくて美しい。惚れた。すっごいイヤな役やけど、またまた突貫小僧が見れて嬉しかった。

と、素晴らしい映画を3本も見て大満足な一日なのだが、本日はラピュタさんのブックオフ度が高かった。省エネ反対…。