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8.08

『天然コケッコー』

今日は立秋やってみんなが言うから涼しいかと思って外出したのに暑かった。騙された。

でもまあそのおかげでやっと見ましたよ、『天然コケッコー』(山下敦弘監督)。

それ聞いたよ、って何回言われても何回でも言います。くらもちふさこ作「天然コケッコー」の映画化は漫画への冒涜です。漫画でしか出来ない表現をとことん突き詰めている作品に対して映画で勝負するというのならいくら山下監督とは言え中途半端なものを作るなんて私認めない(既に懐かしいのがすごいスピードワゴン)。

だいたいくらもち先生の作品の映画化なんて「海の天辺」を椎名役・私、河野先生役・臨機応変で脳内妄想上映くらいしか有り得ないんだよ!と見る前からぷりぷり怒ってしまい、見終わってもぷりぷりは止まず。

二時間近く、夏帆の垂涎モノの可愛さに救われたものの(現代っ子丸出しの顎の骨格が悔やまれます)、原作のエピソードをなんの映画的ひねりもなく寄せ集めただけの脚本にむかつき、田舎の風景をキレイに撮ればコケッコーの世界を表せられると勘違いしてるような映像にむかつき(祭の場面とかもうちょっと魅力的にできないものかとびっくりした。あと季節の移り変わりも)。そんなことより映画全体がただのカマトト胸キュンものに収まってるのにむかつき。いや、胸キュン大好物ですけどね、大好物だからこそこんなキュン度映画じゃときめけないっす。せっかくいい顔した子役たちが集まってるんだから、中途半端なエピソード(父親の不倫とか修学旅行とか)挟むより、子どもたちに好き勝手させた映画にした方が面白かったんじゃないかと思ったりした。若い子たちの芝居があまりに堅苦しかったのが残念。うわあこれは漫画じゃ無理!って感じる瞬間が物足りな過ぎました。

とまあ、原作への異常な愛情故今イチ冷静に見れてない感大なので実際のところもしかしたらすごくいい映画なのかもしれません。責任は取りません。でも、最近のマイブームな謎、日本の若手監督が地味な映画を撮ることの下手さ(ダサさ)についてまたひとつハテナが増えた気がする。

大沢くん役の岡田将生くん、芝居が下手なのは十分わかった。でもイメージを壊さないビジュアルはなんとか許そう。が、どんな事情があったにせよやっぱりジャンパーはアディダスであって欲しかった…。あと、先日ハイバイの舞台で短パンをはいた小学生役だった黒田大輔さんが今作では完璧な分校の教師になっていて(しかも超イメージ通り)、役者ってすごいなーと感心した。父親が佐藤浩市ってのはあまりに原作と違ったけど、これはこれで良かった。

今ふと思ったけど、間違っても「イタズラなKISS」(故多田かおる先生)の映画化とかほんとやめてよねー。入江くんは渡さない。