BLOG

10.10

ビューティ宴会

アクエリアスとオレンジジュースの過剰摂取という荒治療により無事復活。市販の解熱剤が飲めないからこれしか方法ないのよー。

で、速攻出社→映画という日常に立ち戻り、シネマヴェーラさんに足を運ぶ。上映前、女子トイレにて器物破損しかけてる怪しげな人物発見!と思ったら三崎仲間でびっくりする。

一本目の内藤誠監督『ビューティ・ペア 真赤な青春』(77年)、これはまあ、実在したビューティ・ペアという女子プロレスのコンビを本人たちが演じ、当時のファンのために作られたサービス映画なんだろうなーと開き直って鑑賞。幼少の頃姉の趣味に付き合わされて見てた女子プロが久しぶりに見れて嬉しかった。この作品がなぜ「妄執、異形の人々」という特集に組み込まれてるのかが今イチ理解できず(確かに脚本はぶっ飛びまくってるけどこの年代のアイドル映画ってこんなもんじゃないのと思ったり)。

二本目の『鬼畜大宴会』(97年)、熊切和嘉監督、好きだと公言し、監督御本人にも「ファンです!」と言い切って無理矢理お話に付き合って頂いたりしたにも関わらず、話題のデビュー作は今日まで未見だった私…。ほんまごめんなさい…。

学生運動に夢中だったはずの男女がいつのまにやら鬼畜の集団に…、という内容から勝手にひたすらクレイジーにグロテスクな映画を想像していたら、意外な程しっかり丁寧に作られた映画で驚いてしまいました(それでも私には十分にクレイジーにグロテスク過ぎて、女が殺されるシーンは殆ど目を瞑ってしまいましたが…)。個人的に頭に浮かんだのは柛代辰巳監督。最初のセックスシーンとか特に。この勢いで山本直樹の「レッド」の映画化も有りかと思ってしまった。

デビュー作としての質の高さ、なんて今まで散々評されただろうから今更言わないですけど、当時から、私が熊切監督作品(特に超限定的に公開された目立たない秀作)に抱いていた、どう考えても狂った世界なのに映画を見てるうちに「もしかしてこれがまともな世界なんじゃないか」と思わせられる不思議な魅力が健在で嬉しかった。でもやっぱり狂ってるんですけどね。登場人物死に過ぎ。

見ながら、只今行方不明真っ最中の、高校生の頃キチガイ映画ばっかりレンタルし過ぎで密かに警察にマークされてた(←ビデオ屋の店員がこっそり教えてくれた)幼なじみが公開当時この映画を大絶賛していたことを思い出し、私もその頃これを見てたら彼女の気持ちが少しは理解出来て、ここまで音信不通になることはなかったのかしら…と思いを馳せてみたりした。いや、やっぱり無理か。