『ジャーマン+雨』
え、11月にしては寒くなくない?週一ペースで増えてゆくアウターたちをどうしてくれよう。
親切な御方から試写状を頂いたので、横浜聡子監督の『ジャーマン+雨』を公開より一足お先に見せて頂く。71分という短めの作品ながら、いやああこれは中々かなり面白いんじゃないでしょうか。こんな映画を撮る78年生まれの若手監督登場は喜ばしい限り。
他人のトラウマをネタにリコーダーで曲を作って歌手を目指す、救い難く不細工で性格が悪くて手癖も悪くて言葉遣いも乱暴な主人公林よし子。彼女の周りにイケメンドイツ人やら美人幼なじみやらエロ親父やら無邪気な小学生やらがわらわら騒いでるだけなのに笑えて切なくて怖くて。ふざけまくってる様ででも微妙な大島弓子感もあったりして上手い(大傑作「ダイエット」を思い出した)。これを見て泣きはしないけど、可愛くない10代の少女にはなんの明るい未来も希望も現実もありゃしない、一生うんこにまみれてダダこねながら子ども(と子どもみたいな大人)相手に生きていくのだという全うな感覚が好きでした。主演女優の野嵜好美さんの芝居と歌の力も大きいと思いますが(「よし子はゴリラ顔!」だの「よし子はゴリラーマン!」だの台詞を聞く度に個人的に無駄に凹みましたが。全国のよしこさん要覚悟)。
あと、本編に対してさほど重要な意味があるとは思えないのに延々と続く(それがいいのだけれど)小学生の男子たちがひたすら遊んでたりドッジボールをしてるシーンがやったらと良い。それと、障害を持つ子どもたちが演奏しているという劇中音楽(「音遊びの会」)もめちゃくちゃ良かった。
スタッフの名前を見ていたら照明が友だちの弟でびっくりしてたら出演までしてて更にびっくりした。上映終了後ロビーにて超久々に再会までしてもう一度びっくりした。頑張れよー。
ということで、12月15日(土曜)から渋谷ユーロスペースさんでレイトショー公開のこの作品、非常に要チェキかと思われます。私も多分もう一回見に行くす。
わからん、私には「ぴあ」の表紙が誰かわからん。