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12.10

『奈緒子』

毎度毎度親切な御方から試写状を頂き、古まや(また漢字の出し方忘れた…)智之監督最新作『奈緒子』を公開前に試写で拝見させて頂く。ありがたやありがたや。

原作は人気有名漫画らしいが、未読。ストーリーとしてはいかにも漫画っぽいと感じる、陸上部の高校生たちの一夏の合宿と大会を巡る物語。なんのひねりもないお話ではあるが、さすがは前作『さよならみどりちゃん』で私を唸らせた古まや監督なだけあって、ちょいちょい挟まれる長回しや目線のやり取りがその辺の青春映画とは違う雰囲気を感じさせてくれる。ちょっとスローモーションしつこいよとか音楽の盛り上げ方がダサいよとか思わなくもなかったがまあ良し。

10代の役者くんたちが本気で走ってるだろう芝居の輝かしさも美しいが、とにかく主演の上野樹里。殆ど台詞がなくただひたすら走る主人公の姿を見つめるだけの芝居がやったら良い。相変わらずの姿勢の悪さが気にはなるものの、やっぱり映画で映える女優さんだなと感心した(ここまで終始白い服しか着せない周囲の執念は気持ち悪いを通り越し得て逆に感心した)。メインの三浦春馬くんも本当に少女漫画に出てきそうなビジュアルはうっとりできた。鶴瓶は、なんか狡いと思った。泣けるんですけどね(こんなわかりやすい役をわかりやすい役者でもっていく力量にも感心)。

2月中旬よりロードショー公開らしいので、久しぶりに爽やかな空気を感じたい方にはおススメな素敵な映画でありました。