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4.20

『ポストマン』

ということで、今井和久監督の『ポストマン』を見てきました。

時代遅れの筋肉バカな長嶋一茂が時代遅れの郵便バカを演じるとこんなにも素晴らしい映画が出来上がるのかと本気で感動しました。マジで良かった。

一茂が無駄に鍛え上げられた肉体でバタンコ(赤い自転車)に乗ってお花畑の中を無駄に爆走、暴雨の中を爆走、雷門をバックに爆走、電車と競争しながら爆走して郵便を届ける姿を眺めるだけでようわからんけどやたら心打たれて涙腺が緩みかける。これは一茂以外には不可能な芸当だと思われます。ほんまに凄かった(しかも体を張るだけじゃなく製作総指揮までしてる一茂万歳)。筋肉以外のちゃんとした演技も素晴らしかったです(一茂を正しく理解してる脚本がまたよろし)。

物語も、父子家庭における思春期の娘との葛藤&妙齢の女性中学教師の将来への悩み&郵便局内での部下と上司との関係&郵便を受ける人々のエピソード&その他諸々と、ぱんぱんに詰め込まれた感があるもののそれが全部うまく収まってる上、最後のオチで観客を裏切りまくってくれる気持ち良さ。あれには笑った。でも本当のラストにはつられて涙。

やたらと丁寧に撮られてたお祭りのシーンも良かったなあ。見てて混乱するようなやんちゃをちょいちょいしてるのも面白かった(監督さんはTV出身の方だそうだが、色々感心した)。タバコを吸う原沙知絵の芝居も良かった(声の低さが気に入った)。郵便局員のことをゆうメイトって呼ぶんだと勉強にもなった。エンドロールにスタッフの写真が出てくるのも素敵だった(これにやたらと弱い私)。

と、絶賛祭りを開催中ですが、長嶋一茂は日本のスタローンだと気づいてしまった者としては上半身裸のカットがなかったことが唯一の心残り。次回作に期待。