5.12
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
大阪ドバイ大阪で出来てしまった映画ブランクを埋めるためのリハビリ第一作にポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(英語表記で良くね?)をチョイス。寒い寒いと呟きながら日比谷シャンテシネさんへ。
20世紀初頭石油採掘によってアメリカンドリームを掴んだ男の大河ドラマ。過剰な金を得たことによって友人や家族の人間関係がぶっ壊れ、本人まで金に壊されていく物語は、超個人的には大変親近感のある微笑ましい作品だったのですが、そういう風に見る映画じゃないってことくらいはさすがに分かる28歳。
過去のPTA監督作品(全部見てるわけじゃないけど)に漂うオサレでポップな感じが一切なく(私はアルトマンも決して多くは見てないのでその辺はパス)、映画として本気にゴージャスな今作には大変満足でございます。派手な動きがあるわけでもない158分間、退屈せずに完走。久しぶりに「あー、映画見た」と感じられたのでリハビリには正しい選択だったかなと。人の神経を逆撫でするような不穏な音楽も良かった。
石油が噴射して人がわらわら動き回るシーンにはえらい興奮しました。ダニエル・デイ=ルイスがポール・ダノ(『リトル・ミス・サンシャイン』のお兄ちゃん。いい感じにインチキ臭い役者になってて感動)を殴るシーンでは一瞬泣きそうになりました(でも彼が兄弟だということはすっかりラストまで忘れてました…)。でもまだリハビリ中なので、なんでここまで女の人が登場しないんだろうとかなんで息子は終始喋らなかったんだろう(事故以前から)とかの疑問を解決するまでは頭がついていきませんでした。無念。