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6.18

『イースタン・プロミス』

時間と場所が丁度いいのでと適当な理由で見たデヴィット・クローネンバーグ監督最新作『イースタン・プロミス』がえらく面白かったのでした。

前作の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』同様アラゴルン様(ヴィゴ・モーテンセン)が主演、暴力とセックスと家族についての物語、めちゃくちゃシンプルで静かだけど重くて美しい画面、と似ている部分がいっぱいあるけど明らかに前とは違う、個人的には前よりずっと感動出来る映画でございました(モチのロン『ヒストリー…』も素晴らしかったけど)。クローネンバーグさんがいかに真面目で本気で熱い男かということがじんじん伝わりました。全裸の男がこんなに格闘する映像を初めて見たので大変衝撃的な映画でもあったけど(ぼかしが丁寧だこと)。相変わらずセックスシーンはやたらと生々しかったけど。

タイトルの言葉はイギリスに於ける人身売買を表す意味だそうで(さっき知った)、その通りロンドンで悪さをするロシアマフィアたちとひょんなことからそこに関わりを持ってしまった看護師の女(ナオミ・ワッツ)。細かな設定や状況についてはかなり不親切な説明しかないけどその深刻さは十分分かる(子どもや黒人についてとか)しドラマチック。売春婦の言葉とヴィゴの立ち振る舞いを見てるだけで泣ける。特に赤ん坊が盗まれてからのヴィゴとそっからのキスシーンは、特別感動的な内容でもないのに泣かずにはいられず。多分これは見た方がいい映画だと思われ。

ばっちりオールバックで決めたヴィゴ様も大変かっこよろし。たまになだぎに見えて困ったけど。ナオミ・ワッツも度が過ぎる程の普通っぽさで良かったんじゃないでしょうか。スコリモフスキーの外見を初めて知りました。