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7.23

『カメレオン』

予告もチラシも見かけないうちにいつの間にか公開されていた阪本順治監督最新作『カメレオン』。そんな状態だから藤原竜也が主演ってことくらいしか情報を持たずに鑑賞スタート、冒頭で藤原竜也の空回り映画かと一瞬危惧したが、あれよあれよとめっちゃくちゃかっこいいアクション映画に様変わり。いやーー、本当に面白かった。久しぶりに思いっきり男臭い阪本監督作品の男臭さが楽しめた(『亡国のイージス』的なマッチョさは苦手)。派手で興奮出来るカーアクションなんて日本映画で久しぶりに見た気がするし、人間の格闘シーンでは心の底から竜也(って呼びたくなる)の身体能力の素晴らしさに感動した。顔が生理的に苦手って理由でずっと好きになれなかったけど、実はこんなに凄い人だったのねと見直しまくり。それでも阪本監督の優しさが垣間見える悪徳老人と不良少年たちのやりとりにはジンときたり。谷啓にサックス吹かすのはずるいんじゃないかとさえ思った。

脇に出てる俳優がみんなハマりまくりなのも良く、菅田俊はゴルゴ13にしか見えず(褒め言葉)、岸部一徳は証人喚問が日本一似合う役者だと確信が持て、豊原功輔は相変わらずかっこよく、名前はわからないけど見事な階段落ちを披露するアクションねーちゃんには度肝抜かれた。やっぱり笠松則道のカメラはいいなと思った。バルト9の音響効果もあって安川午朗の音楽もかっちょよかった。

内容はタイトル通り、カメレオンみたく正体の掴めない男が活躍するって感じなんすけど、元々は松田優作用に書かれた脚本ということもありちょっと臭いんじゃないのと思ってしまう点もないこともなかったり、竜也の芝居やっぱ臭いんじゃないのと思ってしまう点もないこともなかったり、水川あさみ弱いなあと思ってしまうこともなかったが、この際そんなんええじゃないか一揆(騒動?)。映画終了後竜也ファンのギャルたちが「ほんとおもしろかったー!」と女子トイレで騒いでいたのでこれでええんでしょう。ギャルじゃないけどほんとおもしろかったー。

こんな映画の後はやっぱおでんだよねー!とおでん屋にてタマゴを頬張る。最初はカメレオン効果で上がりっぱなしだったテンションが、後ろのテーブルに座ってた息子(タンクトップ着用)&その母親&息子の彼女な三名様の、息子の母親に対する話っぷりが、いやいやどんな事情があるんか知らんけどそれはいくらなんでもあかんやろと感じずにはいられない本当に酷いもので(私が言うくらいなんですから)、聞いてるうちにだんだんブルーになってしまったよ俺は。あと10分長くあいつが店にいたら多分直接怒りにいってた。いや、親子の間でどんな話しようが自由だとは思いますけどそこに彼女を同席させるのはアホ過ぎるやろとプリプリ。別に他人の話を盗み聞きするのが趣味とかではないです。