BLOG

7.26

『国道20号線』

パトラッシュ、ぼくはもう疲れたよ…、と実はロクに内容も知らないアニメのフレーズが漏れてしまう程どーでもいいことに振り回されて疲労困憊な2日間であった。やだやだ。やだ。

こんな時は現実逃避に映画が一番とアテネフランセさんで開催中の映画美学校夏期公開講座「上映と対話篇」にて富田克也監督の『国道20号線』(07年)を鑑賞。昨年見逃したのが非常に悔しかった作品なのでやっと見れるー、とウキウキ。結果、とても面白い映画で満足、だったのだが、微妙に私の疲れとリンクする映画でもあったのでパトラッシュとの距離は縮まるばかりなのだった。

国道20号線沿いにある日本の地方の小さな町で、完璧にヤン服を着こなしながらパチスロ打ちながらしょうもない商売に手を出しながら消費者金融に借金しながらシャブではなくシンナーを吸いながら生活してる人たちの、ただその姿だけで、物語も救いも絶望もあるわけではない77分間なんですけど、こういうものを見せられる感覚は決して嫌いではないというか寧ろ好き。非常に興奮させて頂きました。パチンコや車の騒音を爆音で聴いてもっと気分悪くなりながら見たいと思った。

国道沿いのラブホテルやATMやドンキホーテのネオンの酷さに見慣れること、是枝監督はこの作品をご覧になったらいいんじゃないかしらなんて余計な老婆心をもってみたり。こんな映画をスタッフ3、4人の少人数で時間をかけながら自主で撮る人たちがいてくれることが素晴らしいし、ヤンキー女はファンシーグッズがお好きという法則に忠実な美術も素晴らしかった。

作品から勝手にもっとワルな雰囲気を想像してたら、上映後の安井豊さんとのトーク&打ち上げ(相変わらず乱入。相変わらず自己紹介で失笑をかう)での富田監督は外見もお話ももの凄く健全で爽やかな方でちょっとびっくりしたのでした。トーク時に上映された監督が美学校時代に撮られた3分間のビデオ課題がこれまた衝撃的でびっくりしたぜよ。