11.08
『その土曜日、7時58分』
予告がなんとなく面白そうだったから見に行ってみただけで実はすごい巨匠さんだとは全然知らなかったシドニー・ルメット監督の最新作『その土曜日、7時58分』 (この意訳もすごい)が、おおさすが巨匠的な面白さだったのでした。
金に困った兄弟が両親の経営する宝石店を安全に強盗する計画を立てるもぐずぐずに失敗してさあ大変、なストーリー。冒頭のファーストカットが鏡をガン見しながらファックするフィリップ・シーモア・ホフマンって時点でだいぶ素敵な映画だと期待に胸が膨らんだ。 その後も、演出やら台詞やらが鼻につくギリギリ寸前のしつこくなさが大変美しく気に入った。映画の中に父子の物語が顔を出す、そのバランスも私好みで。ホフマンとイーサン・ホークが兄弟という強引さも中々。イーサン・ホークの全身から漂う情けなさと後半狂い出すホフマンはさすがだわと感心。画面がずっとヨーロッパ映画並みの暗さだったのも良かったな。体重を指摘された女はとりあえずキレるという事実が世界共通だと知れたのも良かった。
ラストがちょっとあっさりまとまり過ぎやでよと思わなくもなかったが、巨匠だからいいのかとなんとなく納得させられる。 久しぶりに地味やけどいい映画を見れて満足でした。
ってか、この「ぴあ」のリニューアルはないでよー。アテネフランセもフィルムセンターもライブ情報も載ってないなんて(その代わり誰か分からんヤツらのオススメコメントとかマジいらんし)いい加減買うのやめるべか、と言いたいがネットで上映時間とか調べるのっていつまでたっても慣れられないかわいそうなあたし。だいぶ困った。