BLOG

4.29

『ニセ札』

やっぱり一応なんとなくねえ的なノリで木村祐一監督の『ニセ札』を見てみました。共同脚本は向井康介、井土紀州。昭和26年に起こった実話を基にした物語は、元は土本典昭が映画化を希望していた企画だそうな(協力のクレジットに名前があって驚いたので調べてみた)。
冒頭数分の、京都のど田舎を舞台に倍賞美津子が自転車に乗ったり知恵遅れの息子と戯れるシーンがえらく良く、おおこれは予想以上かと興奮しかけたが室内での会話劇になるとがくんと映画が単調になってちょっとがっくり。94分というコンパクトな時間なため仕方ないのか説明的な台詞が多かったのも少し残念。まあそれでも十分鑑賞に耐えうる映画になっていて、さすがと言うかやっぱりと言うかなキム・ニールヤング的作品でございました。警察の尋問シーンが明らかに異様な雰囲気なのが、なんか良かった。
インパルス板倉のアホなチンピラ役ってのは他の誰がやるよりいいんじゃないでしょうか。ハイヒールリンゴが出演してるのにはうっかり気づかず、なんでかすっごい悔しい。エンディングテーマはASKAじゃない方がよかったと思う。あと、テアトル新宿さん、大して暑くない日にあの空調は女性の体に毒です。