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5.22

『60歳のラブレター』

とあるアメリカ映画を見に劇場へ向かったら恐怖の上映昨日までだった事件に遭遇しショックのあまりフラフラと隣りの劇場に倒れ込んだら深川栄洋監督『60歳のラブレター』が上映してたので、見てみた。
昨年の『真木栗ノ穴』が結構お気に入りだった深川監督あっというまに立派になっちゃってと勝手に感心しながら鑑賞。物語は、わかりやすく言うとアラウンド還暦な人たちの恋愛沙汰、熟年離婚した夫婦だの独身のキャリアウーマンだの平凡な魚屋の夫婦だの。33歳の監督さんにこの内容はどうなんだろう、まあこうとしか作りようないわなと勝手に同情してしまう仕上がりであった。ぼちぼち悪くはないけどもうちょっと頑張って欲しかった感が残る。冒頭の空撮しかかっこいいと思える箇所はなかったぞよ。
まあいくらなんでも中村雅俊と井上順の芝居が熱くて濃過ぎる。感動ミュージックを流して必死で盛り上げてたラスト(とその時の原田美枝子の衣装)には申し訳ないけど爆笑してしまった(中村雅俊の『女咲かせます』ばりに無理矢理な登場の仕方があの流れだとギャグにしか見えなくて)。それでもアンパンマンが独り高級マンションにいる姿やイッセー尾形が意識のない妻のため一晩中ギターを弾くシーンにはぽろぽろ泣いてしまったのだけれど。
実話が基になっているらしいが60歳と言えばガチンコ自分の両親と同じ歳、しかし別居歴15年以上の彼女たちに今更ラブレターなんてとんだフィクション。いやそもそもウチの親父はまともに文字が書けないんだった。