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6.09

『余命一ヶ月の花嫁』

あたしったらほんとうっかり八兵衛に新文芸坐さんでの高倉健特集の日にちを勘違いしてて半泣き。本格的に脳がイカれてきたのかしらんというかなり切実な悩みを抱えながらとりあえず気を取り直してカップルと女子高生で溢れる映画館で独り廣木隆一監督『余命一ヶ月の花嫁』を見に行ってみた。
内容はもちろん実話を基にしたらしい乳癌に侵された余命一ヶ月な花嫁のお話で昨今流行りの人の命を食い物にして金稼ぐ系の映画なんだけれど、すんません号泣しました(榮倉奈々にでも瑛太にでもなく柄本明にだけど)。映画中盤から劇場は鼻水の音祭り。
見る前から主人公が最後に死ぬってことはわかってるし、病人にしては肌つや良過ぎやろとか癌なのに闘病シーンは咳き込むだけかよとか(20代のリーマンがアウディ乗れるかよとか)突っ込みどころが満載なのもほぼ半笑いなんだけど、半笑いを通り越して「これでいいのかも」と思えてくる妙な感覚。それは多分、この映画の大元である筈の主人公が自らマスコミに接触する場面と肝心の死亡シーンが拍子抜けする程あっけなく描かれていることに関係あるかと(どう関係あるのかを深く考える程興味はないけど…)。 おかげで129分退屈することはなかったが、最後のビデオレターは半分くらいの尺でよかったと思われます。さすがにちょっとだるかった。でもこのカップルの微妙な主従関係とかビデオの中で言う「日本語にない」という言葉にはほんの少し胸が痛んだ。
初っぱなの自転車のシーン、すごい良いけどなんかおかしいなと感じてたら人止めもせずに撮影したそうで、さすがに凄い(私があの場に居合わせたら走って追いかけるくらいしてるかも)。主治医役が安藤玉恵でなんか笑えた。瑛太より顔の小さい女優を初めて見た、榮倉奈々ちゃんのあの肉体はだいぶ偉大だ(三味線もおじょーず)。
それにしてもこのお話、ちょっとネットで調べるだけで下世話な情報がわんさかわんさか。読んでるだけで気分悪くなった。