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6.11

長江に太鼓座

山形でも渋谷でも見逃していた『長江に生きる ビン・アイの物語』(08年、フォン・イェン監督。経歴見てみたらすっごいエリートなのね)をやっと東中野さんにて鑑賞。
正直中国の河にまつわるエトセトラ的な映画には少し飽き気味だったのですが、これは三峡ダム建設により移住を強いられたビンさん(漢字の出し方がわからない…)を巡るドキュメンタリーと言うよりビンさん自身についての映画だった。そりゃさすが7年間も撮り続けただけあるわという面白さでございました。でも117分と長過ぎないのもよろし。
病弱でろくに働けない旦那と幼い子どもを抱えて貧しい中生きていくビンさんの姿は非常に感動的なたくましさなのだが、なんか既視感、と思ったら自分のおばあちゃんとかその姉妹の姿とえらく被ることに気づいた。今更アホみたいやけど、ただひたすら、やっぱり女って凄いと言いたくなってしまう。笑いながら中絶の話をする場面はもう怖い。それと、あんな無茶な崖っぷちに人を住まわそうとする中国政府もやっぱある意味凄いと思った。結局あそこには住まなかったという字幕に拍手したくなりました。
そのまま夜はもちろん「爆音映画祭2009」 にて加藤泰監督の遺作『ざ・鬼太鼓座』(81年)を鑑賞。どんな映画か全く知らなかったんですけど、先日見た歌舞伎と笑いの融合「歌舞伎あるある」 も結構な衝撃だったんですけど、和太鼓と電子音楽の融合にはびっくらこきまくった。今回、愛用の指定席が先に取られてたのでヤケになって最前列で見たんですがそれで正解だった。ただひたすら太鼓のもんの凄い爆音と鬼太鼓座の人たちのもんの凄い肉体(あんなに腹筋使う楽器だったとは)をびしびし浴びる喜び。楽しかった。でも死んでも私は鬼太鼓座には入れないなと思った。ダッシュの後に笛吹くとか、無理。