BLOG

7.07

『ROOKIES-卒業-』

全くもってこれっぽっちも1ミクロでさえ私の意志ではないのだが、やむを得ない事情で『ROOKIES-卒業-』 (平川雄一郎監督)を見に行く羽目に…。
感想とか以前に、137分間頭の上を大きなクエスチョンマークが浮かびっぱなしだったのでとりあえずその疑問を挙げてみる。実際はワンカットずつ一時停止しておかしい点を指摘したいくらいなのだが、そんな愛はない。
その1、これは私がルーキーズ(英語変換もダルい)ドラマ版を一切見たことがない不勉強が故なのかもしれないが、映画が始まった時点で野球部員全員めっちゃいい子。普通に高校野球目指して頑張る少年たちが中途半端にヤンキー風味である意味が一切わからない。
その2、5分に一回くらい挟まれるスローモーションの意味が一切わからない。
その3、劇中流れっぱなしの大袈裟な音楽のせいで真の盛り上がりどころを見失い、 感動ポイントが一切わからない。
その4、生徒に禁煙を勧める教師役の佐藤隆太の歯が黄色過ぎることに誰も気づかなかったのか?お金あるんだろうからホワイトニングぐらいしろ。
その5、甲子園って気合いで行けるの? 怪我をした選手の代わりに怪我人をマウンドに送るって、脚本家頭おかしーんじゃねーの?
その6、猫がニャーと鳴くように、口を開けば「夢!」「努力!」「俺たち!」と叫ぶ出演者たちを500歩譲って許すとしても、大事な試合中にそれを言うためだけにいちいち野球の流れが止まるので勝敗を見失い、途中で「ああこの映画は野球を描く気がないのか」と気づく。じゃあ何を撮りたいんだろうと考えたところ、どうやら体育会系ホモセクシャルなユートピアなんだと。事実不気味なくらいネガティブな要素や言葉が一切出てこない。てかキモい。
その7、なので今作品最大の謎、これが興行成績数十億を稼ぐ程ヒットしているという現実。結構真剣にその理由を考えてみたが、結論として日本人は白痴になりたいんだなと。現実的な問題とか人間の暗部とかそんなもんに用はなく、とにかく誰かに笑顔で自己肯定してもらいたいんだなと。恐ろしかとばい。
映画を見て久しぶりに最後の30分間本気で辛かった。市原隼人くんの最後の決め台詞は「報われない努力はないんだよ!」だけど、私がこの映画を二時間以上我慢して見た努力が報われることは一生ないと思われます。