7.30
『ロルナの祈り』
公開当時に見よう見よう思ってたのにうっかり入院で見逃してしまっていたダルデンヌ兄弟監督作品『ロルナの祈り』 が新文芸坐さんでやるというので。徒歩圏内の劇場だけど暑さに負けてタクシーで行ったことは秘密。
クセのある感じなダルデンヌ兄弟監督の作品、個人的には大好物でも拒否反応を起こすほどでも特にないって感じだったけどこの映画は結構好きかも。多分今までの中で一番「普通」な映画だけどそういうこととは関係なく。
国籍取得のためだかお金のためだか偽装結婚を繰り返す若い女ロルナの人生に色んなことがあまりにも唐突に起こるまくるけど何があっても徹底的に孤独な彼女に、一瞬訪れる文字通りひとりじゃない場面が大変美しく、文字通り以上に存在しない存在と寄り添う瞬間が大変恐ろしく。これは間違っても母性なんかじゃなくオカルトかもしくは祈り。ラストのベートーヴェンはずるいんじゃないかとさえ思った。
映画の中でひとりの人間をひたすら見せるという点で昨日の『レスラー』とやってることは似てるんだけど、私はこういう映画の外から見るしかできないというしんどい感覚の方がなんかしっくりくる。上手く言えないけど。
それにしてもジャンキー役のジェレミー・レニエが『夏時間の庭』の三男役のときと違い過ぎてかなりびっくりした。この役のために15キロ減量したそうで。私も今夜一晩は強制断食なのだが、10キロくらい痩せてくんないかにゃー。