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8.14

『サンシャイン・クリーニング』

三十路にもなればお盆休みの昼下がり麻布のオサレなレストランで昼ビール(&ワイン&シードル)片手にガレットを貪りつつ女ともだちと優雅にランチミーティングのひとつも開く。話の内容は在日朝鮮人を巡る酷い現状についてとかやけど。おかげで午後にはすっかり酔っぱらい、睡魔との格闘が予想されるも渋谷での上映が今日までだったのでクリスティン・ジェフズ監督『サンシャイン・クリーニング』になんとか。07年の『リトルミスサンシャイン』と同じプロデューサーだというので興味を引かれ。
アメリカの冴えない町に冴えない姉妹、何をやっても上手くいかないふたりが事件現場のクリーニング業を始めていろいろあるけどいろいろ頑張る。いわゆる負け犬のおひとりさまにはたまらない泣ける映画となっており息子とかおじちゃんの存在も素敵なとてもいい映画だとは思ったのだが(一睡もしなかったし)、なんとなく全体的に「いい映画」に一直線過ぎたようにも感じなくもなきにしもあらず。『リトルミス…』のワーゲンに飛び乗る瞬間のような舞台に上がって唄ってしまうような無茶がもっとあってもよかったんじゃなかろうか。依頼人の家を火事にしてしまったとき喧嘩じゃなくて大爆笑するくらい。せっかくの面白い職業も惨めさを表現するためなのか生と死を語るためなのか微妙に中途半端やったし。こんな地味な人たちを主人公に地味な映画を作る監督さんは多分本当にいい人なんだろうなとは思うけど、もう少し毒希望。
『魔法にかけられて』のお姫様だったエイミー・アダムスが今回は着飾らずいい芝居をしてた。整い過ぎた顔が故のつまらなさ(沢口靖子的な)が上手に切ない。 片腕のない薬局の店員がえらく良かった。アラン・アーキンと孫の会話はやっぱり泣けた。

おこりんぼさびしんぼが亡くなってさびしい。