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9.05

『童貞放浪記』

なんとなく乗り遅れたけどもしかして今って童貞ブームなのかってことで流行りもの大好物な私はまめまめしく小沼雄一監督『童貞放浪記』を見に土曜の渋谷にひとり繰り出したのでした。
東大大学院卒の大学講師、30歳童貞な主人公が風俗に行ったり好きな女にアピールしたりと必死に初体験を成功させようとする物語。ビデオ撮影全開の映像に一瞬不安を抱くも主演の山本浩司の上手さに魅かれて結構面白かったです。控え目な芝居の中に絶妙なバランスで切なさ1割キモさ9割、ファッションも(もちろんシャツはズボンにイン)言動も(もちろん主語は「わたし」)見事だったけど、主人公のキモさが30歳で童貞だからじゃなくて30歳のくせに自分の童貞を気にし過ぎてロクに女と付き合えないという点がちゃんとわかるのが良かった。相手役の神楽坂恵も、地味な顔にお見事なIカップ(やや保留)、いかにも童貞に惚れられそうなキャラクターも上手くって、ふたりのベッドシーンには柄にもなくドキドキしてしまった(女のひとり暮らしにあの豪華な部屋はないやろうとは思ったけど)。生理になるくだりは大いに笑えた。あと大学の助手役の内田慈もやたらと良かったな。
最終的にはハッピーエンドでもないし、世の童貞くんがんばとも思わない、でもやっぱ頭でっかちのむっつりエロは馬鹿ばっかと断言する気にもなれない、なんだかうまいこと監督にはめられた結果となったのでした。
小谷野敦の原作は未読なのですが私小説とのことでちょっと興味有り。読んでみようかな。数日前トーク番組に出てたガッキーが「チェリーボーイ」という言葉の意味をその番組内で初めて知ったと言っていて、さすがに嘘つけやとひとり突っ込んでしまった。

WOWOWのグランドスラム中継を見るたびWOWOWのアナウンサーになりたいと切に思う。こんな緩い仕事で現地に行けるなんてずるい。