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10.03

『空気人形』

発売日の昼過ぎには既にチケット完売って有り得へんって!シネフィルみんなおかしいって!!
ったく、オリンピックも落選で(だろうとは思ってたけど)土建屋の希望も見失った中、もうこの監督の新作には興味なし〜と思っていたのに主演のぺ・ドゥナがダッチワイフ役と聞けば見に行かずにはいられね〜と誘惑に負けて是枝裕和監督『空気人形』 にまんまとはまってしまったとさ。
心を持ってしまった空気人形を演じるドゥナちゃんが126分間ひたすら超ミニスカのコスプレでこの世のものとは思えない美脚を披露、惜しげもなくヌードも披露、サービスカットに入浴シーンまであり、でも人形だから拙い日本語と超純真なハートがエロの対象ながらもヨゴレには見せないという、ファンにはたまらない作りとなっております(途中プロモーションビデオ化してます)、が。隠しきれないロリコン臭に個人的には拒絶反応。それでも相変わらず素晴らしいドゥナちゃんの存在感とおおおここまでやるかという監督の変態性(人形の空気が抜けたりそれを臍から入れたりするシーンとかドゥナちゃんが自分で膣を洗うシーンが愉快なくらいキモい)は楽しめた、が。
業田良家の原作を読んでいないのでなんとも言えないんですがけど、これってどこまで本気でどこまでギャグなんでしょうか。内容的にはダッチワイフが阿部定に大変身というホラー且つ大いに笑えるものだ思うんだけど、途中で挟まれるACのCMみたいな過食症の女とか不穏な父子家庭とか老いと闘うおひとりさまとか中途半端に人間の孤独を表現しました的なダサ過ぎる感覚は冗談と受け止めるべきなのか否か(もし深刻に心を持った人形と心の動かない人間の存在を描きたいならダッチワイフの持ち主である板尾創路をもっと有効に使うべきだろうよ)。もちろんこのステレオタイプな世界にいまどき感動も共感もできないけれどいや是枝監督なら真剣にやってそうやなと思ったもののラストの微妙さに混乱のまま。ゴミ置き場にゴム人形が転がってる風景に「きれい…」は普通言わないでしょう。飛躍的にクレイジー。…でもまあ多分、この映画で伝えたいことは作品見るよりも「悲しきコピー・ロボット」聞く方が泣けると思う。ごめん。
結果、とにかくぺ・ドゥナになんでもかんでもやらせたい!という監督のアブノーマルなカミングアウトに敬意を表して文句を言う気にはならないけれどそれでもやっぱりリー・ピンビンと種田陽平がモッタイナイ感は残る(もちろんすごかったけど)。ARATAの急速なトヨエツ化には驚いた。板尾の「俺のブログ…!」はもっとウケるべきだと思う。いやいやそんなことより何より空気人形のドールスキンはどうやって作るのだとエンドロールをガン見してたらメイク協力はドゥ・ラ・メールだった…。