クヒオ姫
とあるドキュメンタリー映画を、上映時間以外何も調べず劇場に向かったら本日は男女共にサービスデーだからかまさかの満席で入れず傷心、そのまま近場で時間の合う映画を調べたら興味ゼロっつーかむしろマイナスな吉田大八監督『クヒオ大佐』 しかなかったもんだからどうしたものか。いやしかしまだ見ぬというか完成すらしてないであろう吉田監督次回作の文句を言うための予習と思えばなんとか。女一人客で堺雅人ファンと思われたらやだなーと過剰な自意識を振りまきながら(「情熱大陸」がなんか気に食わなかった)。
1970から90年代にに実在した「アメリカ空軍パイロットでカメハメハ大王やエリザベス女王の親類」と名乗っていた結婚詐欺師の物語に松雪泰子や中村優子が頑張って芝居してるとなればそれなりに面白くもなりそうなのに驚異的なまでの退屈感はもちろん主演の堺雅人が女をコロコロ騙せる程のいい男に全く見えないという点も大きいだろうがしかし監督の前作(腑抜けどもなんちゃらかんちゃら)やついでに『空気人形』の監督まで思い出してこういうネタさえ面白ければ映画が面白くなると思ってそれ以上のことを考える気がない人たちが作ったものを見るのはほんとイライラするというか時間の無駄というかTVかCMでやっといてよと言いたくなるものでつまりは頼むから次回作を公開中止にしてくれと言いたかったのでした。以上。
CKBのエンディングテーマと、相変わらず登場しただけで人を殺しそうな新井浩文だけはとても良かった。
とまあ映画気分が消化不良になったのでそのままレイトショーにて6回目のアンコール上映にしてようやくありつけた七里圭監督『眠り姫』 を(なんか、やたらタイミングの悪い映画ってあるやん?)。山本直樹は大好きだけどこの原作は未読。
風景画のような映像とナレーションで構成された映画ってのは事前に知っていたけど、こんなにホラーだとは予想外。濃い木の影が、落ちていくピンポン玉が、ペットボトルに巻かれる髪の毛一本がとても美しいけどめちゃくちゃ怖かった。こんな風に世界が見えていたらそりゃ気も狂うだろうよと思った。80分間だけでも狂えて楽しかったし、それはそれは不思議な映画だったけど、漫画が原作ってある意味これが正解だよなと思った。登場する猫がそらりーぬにそっくりだった。西島秀俊が語尾を上げるのは反則だなと思った。