『携帯彼氏』
平日の昼下がりだというのにシネコンのチケット売り場は長蛇の列の謎。特定の作品が売り切れまくってるってわけでもないし(一番多くの館で上映してたのはマイケルやったけど)、一体何なんだ。
そんな中病み上がりの私がチョイスしたのは船曳真珠監督『携帯彼氏』。主演の川島海荷クンがどことなくsanjoに似てて。
「携帯彼氏」という、携帯上で理想の彼氏の画像を作成しコンピューター相手にメールをやりとりするサイトを利用した女の子が続々死んでいく怪事件勃発…、というバリバリのJホラーを久しぶりに見た気がした。しかし。
見ながら、そもそも、手元の携帯電話を眺めてあーだこーだ騒ぐのって画面にほとんど動きがなくて、原作が全く映画向きじゃないんじゃないかと思ってしまった…。最後に闘う相手はサーバーやし…。何かが起こる度それなりにドキッとしたのは今時珍しいくらい大袈裟な音楽のせいだった気がする…。
脚本も、主人公の女子高生が一日ひとりペースで目の前で友達が死んでいくという状況に見舞われるうえ久しぶりに会った同級生にはとんでもない嘘をつかれ傷ついたとしてもちょっとうっとおしいこと言ってきたバイト先の店長に携帯彼氏を転送し殺してしまうというトンデモない展開にさすがに呆然。「レイプサークル」なんて言葉を安易に使う下品さにもげんなり。まあ最近ニュースでよく聞く「プロフ」の意味も一切わからない私には果たして「携帯彼氏」が実在するのかもわからずそんな人間が携帯小説のナウな感覚をキャッチできてないだけかも知れないけれど。
売れっ子らしい海荷クンは、17歳どころか小学生くらいにしか見えなくてびっくりした。今時の女子高生はあんな頑にホットパンツを履くものなのか。友達役の朝倉あきクンの頑張りは良かった。
それにしても、悪い噂が伝わるのって、渋谷の街で話す女子高生の姿に噂の内容を話す声がオーバーラップする以外に方法ないんかいな。