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12.01

『ゼロの焦点』

ただただ西島秀俊氏への忠誠心ほんとその一点のみで犬童一心監督『ゼロの焦点』 を見に行ったのに、映画が始まってタイトルが出るまでの5分の間に西島氏は突然失踪しその後一切姿を現さないという展開に本気で椅子からずり落ちる。先に言ってよ、マジで。
だって残りの二時間以上は、主演女優たちの「私、演技派!」というどうでもいい自意識に酔いしれた臭い芝居と、山村紅葉はいつ出てくるんですか?と聞きたくなるようなぬるいサスペンスドラマ(紅葉が出てくればむしろ本気で笑えたのに)に付き合わされるのみで、疲れた。こんなに事件の展開や主人公の心情をセリフやナレーションでぺらぺら喋られるなら始めから松本清張の小説読めばよかったぜ。
ってか犬童監督、今までも特に興味はなかったけれどここまでダメ監督だとはちょっと予想外。やたらアップが多いなーと思ってたら画面にふたり以上映ったときのゆるさがすごい。多分本人たちは大いに頑張ってるであろう女優たちの芝居を悉く殺してて、いいんだか悪いんだか。 せめて女たちが出会う瞬間くらいかっこよく撮ってやってほしかった。
本来のいかがわしさを活かした鹿賀丈史が辛うじてちょっと良かった。回想シーンでちょこっと再登場する西島氏が常に濡れ場なのはファンサービスなのだろうか。まあ本編前に『サヨナライツカ』の予告を見た時点で私の忠誠心は9割方心折れてたんですけどね…。

とつまらない映画を見た帰りに修理に出していた腕時計を引き取りに行ったら修理代に6万もかかって更に気分が滅入ったのであった。あううう。