2.05
ラング2
外出してすぐ何この今まで味わったことのない違和感と思ったら先日バーゲンで買った手袋が両方右だと気づき色んなものに負けそうになったがでも頑張って、甘ったるい映画を見た後のお口直しにはやっぱりと再びアテネフランセさんの「アメリカ時代のフリッツ・ラング」 特集にリターン。
で初めて見た『恐怖省』(44年)の激しい面白さに震え上がる。タイトルだけじゃどんな映画か全く想像がつかずなんの予備知識もなく臨んでみたら、熱々のミルクココアを飲んだ後にシャルトリューズを一気させられたような衝撃で、喉が火傷するかと思いました。まだたかじんになりたくはない。
戦時中のイギリスに潜伏するナチの諜報員を巡るサスペンス、一発の銃弾がかっこいいことかっこいいこと。ラストの唐突なオチはちょっと笑ってしまったけどこの内容で86分、大満足でございました。美人占い師の衣装がレディ・ガガみたいだった。
二本目の『外套と短剣』(46年)もタイトルからは内容はさっぱり、しかしこちらも『イングロ』ばりに英語とドイツ語とイタリア語が入り交じるかっちょいい反ナチ映画(しかし脚本を書いた人はその後赤狩りされたそうな)。主人公のゲイリー・クーパー、スパイになりきるのがちょっと早過ぎるんじゃないかと思わなくもなかったけど、この人の身のこなしを見てると確かにスパイでもなんでもスマートにやり遂げそうだと妙に納得させられるので無問題。ラスト、隠れ家での銃撃戦中に仲間と握手を交わす瞬間急に泣きそうになってしまった。