BLOG

3.02

『抱擁のかけら』

この監督の映画を見る度うーんやっぱり何がいいのかよくわからんと思うのに(って言える程の数を見てるわけでもないけど)今回もやっぱりベネロペの誘惑に負けてペドロ・アルモドバル監督最新作『抱擁のかけら』 を見てしまったのであった。
視力を失った元映画監督が過去に愛した女と映画を振り返る物語が、ヒッチコックの映画みたいなサスペンス仕立て(ってこれもそれ程見てるわけじゃないんですけど)で進んでいって、真っ赤なスーツを着た女が階段から転げ落ちるシーンなんかは結構面白かったんし、主人公が老いた映画監督だったり数年前の彼が映画を撮影中という設定がメインだったり女優として仕事中のベネロペを更に恋人の息子が監視カメラで撮り続けてたり読唇術と本人の声が重なる瞬間だったり映画自体が映画を再編集するという話だったりと色々考えられたことが面白いと思わなくもないけれど、最終的に、うん私はこののっぺりした画面が生理的に好みじゃないんだなと気付き、終了。ごめんなさい。スペインっぽい色彩感覚は大好きなんだけどなあ。
それでもというかやっぱりというか、今作のベネロペ・クルスの美しさは尋常じゃなく、彼女のコスプレと愛に悩む姿を眺めるだけで充分楽しかったの言えば楽しかった。こんな女がいたらそりゃ人生狂うわなと心底納得できる。それにしても、大富豪と映画監督に愛されて苦悩するって相当めんどくさそうで絶対やだ。