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3.09

『ハート・ロッカー』

アカデミー賞を受賞したと聞いた翌日にはへらへらとキャスリン・ビグロー監督『ハート・ロッカー』 を見に行く羞恥心のないあたし(授賞式放送後「監督が美人で驚いた!」という声を多数聞いたけどそれで逆に驚いたのは世の中映画を撮るような女はみんなブサイクって思い込んでるもんなんですねえ)。で、それなりに期待して見た結果、突っ込みどころが多過ぎて困った。
まず、131分間なんにも起こらな過ぎて困った。もちろん舞台が戦争中のイラクなんだから常に戦争は起こってるんだけどそんなこと今更言われなくても知ってるし…。ひたすら爆弾を処理するという退屈さが面白さに繋がるわけでもなく、見てて疲れた。
まず、冒頭の「戦争は麻薬である」という字幕に対する応えがこの終わり方って、どこまで本気のなのか冗談のなのかわからくて困った。これって笑っていいの?もしこの映画通りの意味で麻薬なのだとしたら一番哀れなのは本人よりも妻子だろうよ。
まず、戦場の男三人組があまりにもステレオタイプなマッチョで困った。キャスリン監督が女性でありながら今まで執拗に閉鎖的でマッチョなホモソーシャル世界を描いてきたことは本当に偉大だと思うし『ラブレス』はもちろん『K−19』も結構好きだったのに今回はマッチョな世界にハマるあまりほんとにただのマッチョになってしまった感が。ミイラ取りがミイラになるって言うんですか。乱暴な野郎が実は子どもには優しかったり任務を終えた男たちが無邪気に戯れたり、だいぶ頂けなかった。せめてあそこで仲間同士がセックスするくらいなら感心したのに。
一応狙撃のシーンとか音の使い方とか幾つか良いなと思う部分もあったけれど、うーん、全体的には私には何が面白いのかさっぱりわからず。残念。
とか散々文句言いながら諸事情により金も払わずタダ見してるんですけどね。多謝。

そうそう、二日前に見た『コララインとボタンの魔女』について、親切な御方からあの映画はほとんどCGを使わずほぼ実写とミニチュアだけで作られているという情報を教えて頂く。それを知るといかにあのアニメ作品がすごいものなのかと改めて気付いて、愕然。