3.11
『オルエットの方へ』
昨日は、うっかりしてる間に日本で完売してしまっていたカルティエの限定時計が無事フランス発ドバイ経由で大塚の私の元に届いて一日しあわせ。超可愛い。母の力は偉大なり。
本日は、これで無事完走な「ジャック・ロジェのヴァカンス」でやっと『オルエットの方へ』(71年)を鑑賞。
今まで見たロジェ作品の中でも最もストーリーらしいストーリーはなく、本当にただ若くて可愛い三人娘が海辺の別荘でわーきゃー騒ぎながらヴァカンスを過ごしてるだけの映画。それが161分という結構な長丁場なのにこれっぽちも退屈しないどころか常に涙をこらえるのが大変な美しい映画でございました。夕陽が波が赤い雨戸が白いネグリジェが、いちいち泣ける。まともな音楽はほとんど流れないけど彼女たちの笑い声で充分満足。
一応私も元少女ですからここに出てくる三人のように、酒もタバコもセックスもブランド品もなくてもほんとに何かが取り憑いたように箸が転がっても面白い時代ってのを経験しておりまして、その頃から声はハスキーでしたけど、その頃からプラダのバッグとか持ってましたけど、 その残酷な無邪気さと刹那さにこっ恥ずかしい程思いを馳せる。なんとなく一番印象的なのは嵐の夜に誰がスイーツを買いに行くかでうだうだやりとりをしその後盛り上がってケーキを食べまくるシーン。あれってあの場所にいないと絶対にわからない感覚で、そして私もかつていたような気がする。かつてね。
わざわざ戦車なんか動かさなくても女の子と海だけで人の心を動かす映画は作れるんだと改めて思ったりしたのでした。
あー「マツコの部屋」おもろい。