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4.08

『息もできない』

日光過敏症的には毎年4月に日傘解禁なのに今年の日差しはなんだか弱い気がして差す気が起きない。気のせい?

「世界が泣いた」「世界が震えた」というチラシの文句に乗せられてヤン・イクチュン監督の『息もできない』を見に行ってみたんですがね、世界ほどには映画にハマれなくてちと無念。超つまんない!とかそういう感じではないのだけれど。
不幸なトラウマと酷い家族を抱えたチンピラと女子高生が偶然出会って理由なく心を通わせていく、そのチンピラの振るう暴力やヤクザたちの雰囲気がなんとなく武の映画を思い出させて、単に私が犬と女は三日に一度殴るべし的韓国スピリッツのテンションじゃなかっただけだとかあまりにもわかりやすい不幸の再生産物語に今更興味がないだけだとか隣りのおじさんがちょっと引くくらい号泣してるのに気圧されたとかハマりきれない理由は個人的なものなんですけど。でもこのお話だとむしろ主人公が少女の弟を殺す方がいいだろうよとは冷静に思った。
監督兼主演のヤンさんの顔が亀田三兄弟のどれかみたいで、女子高生の女の子も全然可愛くないのはだいぶ好感が持てた。韓国では美男美女が出演しなくても映画が成立するのは何故だという私の疑問はまた深まるばかり。子どもが足にしがみつくところと父親が扉を包丁で突くシーンは良いなと思った。「韓国の父親は最低だ」という名台詞には深く感動した。