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5.19

『グリーン・ゾーン』

我が家から徒歩5秒のコンビニの店長(結構おっさん)とピチピチギャルな韓国人アルバイトがどうやらデキてしまったらしく行く度レジの中でいちゃつきまくってるのが別に自分に害があるわけじゃないのに妙に腹立たしい今日この頃、ファレリー兄弟からガス・ヴァン・サント、果てはイーストウッド監督作品まで主演をはれるマット・デイモンって実は今アメリカで一番凄い俳優なんじゃないかと密かに思っていた私としては彼の主演作を見逃すわけにはいかぬとポール・グリーングラス監督『グリーン・ゾーン』をとりあえずチェキ。グリーン・ゾーンとは、イラク戦争時アメリカがバグダット市内の一等地に保有していた安全地帯を意味するそうな、とこれまた日本の配給会社が勝手につけたであろうダサい前説で初めて知る。ポール監督のボーンシリーズはTVでチラ見程度。
映画が始まって30分、これでもかってくらい激しく動き回るカメラと走り回る戦車と撃ちまくる軍隊という派手な画面を眺めてもこれでもかってくらい退屈なのは何故だろうと考えてたらふと気付いた、03年のイラク戦争を舞台にイラクとアメリカのどっちが馬鹿でしょううーんアメリカだったかもという物語にこのイギリス人監督は本当に興味がなく、彼の撮りたいものはただひとつ、苦悩するマットくんの姿だけなのだと。故に映像自体は、最近の戦争映画ってこういう風に撮ればいいんでしょというやっつけ仕事感がムンムンで驚異的なまでに空洞、そこには『ハート・ロッカー』みたいなタチの悪い思想が介入する余裕もないくら空っぽ、本当に目的はマットくんのみという一点で押し続けるこの映画はある意味ものすごく正しいんじゃないかと軽く感動すら覚えた。最終的にはアメリカが馬鹿だったという話のオチも国家がああだこうだではなくあくまでマットくん一人の問題で片付けるし。じゃあこの脚本をイラク問題に興味のある他の監督が撮ったら面白くなったのかと考えるとそれもちょっと疑問だし。すっごいつまんなかったけどこういう戦争映画は有りだなと個人的には思いましたとさ。