5.26
『オグンのお守り』
数日前から私の脳内メーカーは「現代アメリカ映画」というつぶやきでぱんっぱん、なはずなのに何故かブラジル映画を見に行ってしまう天の邪鬼。
アテネフランセさんで開催中のネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督作品集2010 、日記の文字数が稼げるいい名前やなくらいにしか思ってなかったのに実はかなり著名な方だったのですね。全然知らなんだ。なのでどんな作風なのかも全く予備知識がなかったのですが今日見た『オグンのお守り』(75年)のぶっ飛び具合がはんぱなくてだいぶびっくり。ブラジル映画ってこんなんだ。
まず神から不死身の肉体を授かった主人公がそれを武器にマフィアになり殺人しまくるって設定に、え、神様って人殺しにも御加護与えるんやと軽く衝撃、しかし映画はそんな戸惑いを無視して銃撃戦から抗争劇から貧しい子どもたちの犯罪から逃亡劇からイタコから宗教儀式からパーティーから次から次へとものすごいスピードで進んでいくしその間中ずっと主人公のガブリエルくんは何考えてんのか全然わからんし(でもその無口キャラにやや萌え)ここまで広がって最後どう収集つけるんやろうと不安に思っていたらまさかの100%予想外な水中劇に思わず声をあげてしまった。鈴木則文か清順か岡田あーみん先生かみたいなこんな無茶苦茶な映画を久しぶりに見た気がするのですごく気持ちよかったです。ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス。
夜、前回会ったときには女子高生だった少女が今ではすっかり22歳の女性になっていて驚いたばかりでなく「gojoさんの日記をずっと読んでいて、それで神代辰巳にハマりました」と言われたときには生まれて初めて人の役に立った気がして嬉しかった。