家路その1
平日の午後スパイラルカフェで独り昼ビールしてる最中に業界人丸出しの知人が打ち合わせしてる場に遭遇するとちょっと死にたくなります、という報告。
それはともかく。昨年の東京国際映画祭でまったくチケットが取れなかったリベンジにとイメージフォーラムで開催中のイエジー・スコリモフスキ60年代傑作選にこそこそ、一切の前情報を持たずに『バリエラ』(66年)と『手を挙げろ!』(67年)を見て、ひっくり返る。スコリモフスキさんの作品はほんの数本しか見たことがなくポーランドの歴史についても詳しくは知らない私が悪いのか、両作品ともとんでもなく面白かったけど、とんでもなく意味分からんかった。
監督のインタビューを読む限り『バリエラ』はほとんど即興で撮られたらしいが、そんなんでどうやっておじいちゃんの集団が突然踊り出したり掃除のおばちゃんが突然唄い出したり若い男が路面電車に体当たりしたりするのん。主人公の飛行シーンは思わず笑ってしまうくらいすごいことになってた。とはちゃめちゃなくせに男と女が会話しているシーンが凄まじく美しかったりラストには立派にロマンチックな恋愛映画いなってたりして、ひたすら混乱のまま81分を過ごしたのでした。よう笑った。
で次に見た『手を挙げろ!』って、実は三部作の最後の作品なのですね…。何も知らずにこれを最初に見てしまいました…。しかも公開当時検閲で上映禁止になったためその後監督が国外で活動するきっかけになった問題作とも知らず、失礼。 なので、冒頭で監督自身がおかしな卓球をしてる姿を見てこんなふざけたことやってるから上映禁止になったんちゃいますのスコリモフスキさんよおと突っ込みかけたが、直後グランドピアノに寄りかかって戦車をガン見するスコリモフスキさんの顔、67年撮影当時のフィクションと81年公開当時に追加された映像と内容が入り乱れ最終的には電車の車両で石工にまみれてクスリでハイになってる若者たちの青春密室劇になっていく映画を見てたら、確かにこれは問題作。この映画の何かを理解できたとは一切思えないが、なんか大変なことが起こってたのはわかったのでそれで良しとする。こんなろうそく立てまくってうっかり倒してボヤ起こしたらどうするのんと気が気ではなかったが。
って言うか、なんで私が行ってない日に限って吉祥寺では西島さまとか川辺ヒロシが爆音ってるの!私のバカ!!