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6.19

『アウトレイジ』

確かにこれは見終わった瞬間「面白いぞコノヤロー!」と叫びたくなる北野武監督『アウトレイジ』 、噂通り最近の北野監督作の中では群を抜いた面白さでございました。
今までと同じヤクザ映画ではあるのだけれど、なんと言うか映画の中の暴力や男たちの怒声が感動的なまでに無意味で無感情、ただスクリーンに映ってるそれがかっこよくて面白いと言うか、やっとヤクザに対するカタルシスがなくなった感じに好感度大。01年の『BROTER』を見て「こんなもん実際ヤクザにもなられへんかった男が自分の夢を映画で叶えてるだけやろ!子どもか!」と怒り狂っていたウチの母も今回は満足するんじゃないかしら。女のぞんざいな扱い方とか今までとは違う終わり方にもびっくり、たけしも大人になったのね。
ぶっ飛んでる椎名桔平もインテリヤクザな加瀬亮もキレてる三浦友和もすっごい良かったけどやっぱり役者としてのたけしって凄いなと改めて思った(それでもちょいちょい父親を思い出して気分悪くなったけど…)。大使館の黒人には思わず大爆笑してしまった。人殺しまくったり手榴弾投げたり無茶しまくっても小日向文世というキャラクターがいるだけで全部納得させられてしまうのはなるほどなと感心。予告を見た時にはなんで関西弁のヤクザが出てこないのだろうと思ったのだけれど、このコノヤローリズムを成立させるためだったのかと大いに納得。ただ本当に映画で血を見るのが苦手な私は歯医者とラーメン屋のシーンでは思いっきり目をつむってしまったのでした。あとあんまりみんなわからないだろうけど日本映画に出てくる入れ墨ではかなり高レベルにリアルな色落ち具合です、あれ。