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6.29

『ヒーローショー』

あかん、湿気で脳みそがやられてビールとペリエの区別がつかなくなってきている。
故にうっかりビールを呑んでしまった後井筒和幸監督『ヒーローショー』を見に行ったら、客の少なさに酔いが覚める。うむ。
ヒーローショーとは名ばかりの、ほんと古泉智浩の漫画に出てくるような田舎に生息する救い難い程アホなギャル男とヤンキー男たちが些細なことをきっかけにとりあえず殴り合う、鉄パイプを振り回す、うっかり殺してしまう、でも大して反省もせずまた同じことを繰り返す、という無軌道な暴力が勢いよく描かれる前半は中々面白く見たのだが、主演の無気力な若者と一番のワルを演じるジャルジャルのふたりが被害者と加害者にも関わらず妙な友情を育み出す中盤から急にドラマのリズムがかったるくなってだいぶ残念。ジャルジャルの後藤がまったくワルのヘッドには見えないし(アパートでの恋人との会話の芝居は中々良かった)。それでも最終的には結局やっぱり誰もヒーローなんかじゃなくみんな最低野郎だったという物語は嫌いじゃないしそりゃこんなメリットのない役は吉本の芸人くらいしか引き受けないだろうなとは思ったけれど。つまんなくはないけど134分は要らんかったかな的な。ちなみに『ガキ帝国』は未見…。
ヤンキー役の役者たちがみんな面白い顔をしていてそれを撮りたいってのはわかるけどそれにしてもいちいち顔とカメラの距離が近過ぎるのは単に個人的に好みでない。突然流れる音楽がちょっと中途半端過ぎるんじゃなかろうか。たまに飲み屋で会う素性を一切知らないけれど面白過ぎて大好きなおじさんがかなりおいしい役で出演していてびっくりした。