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7.11

『クレイジー・ハート』

実は昨日のことなんですが、見たかった『アイアンマン2』と『トイ・ストーリー3』がピカデリー新宿でもバルト9でも満員御礼というクレイジーな土曜日のシネコンに深く心に傷を負わされたので、急遽スコット・クーパー監督『クレイジー・ハート』をすかすかのシネマート新宿にて鑑賞してみたら、これが「ええ映画〜」としか言い様のない拾い物ですっかりしあわせになったのでした。
落ちぶれたカントリー歌手(アル中)のジェフ・ブリッジスがドサ回りの最中に出会ったバツイチ子持ちのマギー・ギレンホール(そこそこ美人)と恋に落ちて人生をやり直そうとする、みたいなこんなにもありふれまっくたお話が、傑作!とか、先鋭的!とかでは全然ないのだけれど、なぜこんなにも悪くないんでしょうか。それはきっと、ジェフ・ブリッジスと一夜限りのセックスするためだけに出てきたようなおばさん(そこそこ美人)や酒を奢ってくれる酒屋のおじさんやだらだら愚痴を言い合う悪友のロバート・デュヴァル(!)やわけありで微妙な距離感になってしまった弟子のコリン・ファレル(不自然な程クレジットされてないのは何故だ?)といった大人たちを、決して立派だったり崇高だったりするわけではないけれど、決して悪くもないという、大人な距離感で描いた映画だからじゃないでしょうか。ダメな中年男の再生物語としては監督の優しさ余ってちょっと距離が近過ぎた『レスラー』よりはこっちが好みだし、こんな映画をプロデュース&主演してしまうジェフをほんと男の子って面倒ねと微笑ましく見守りたくなる憎めなさ。最終的には自分の失敗のせいで女に愛想を尽かされるという全然ハッピーエンドではない物語も男のドリーム臭がなくて良かった。主人公が最後に唄う、人生から着想を得て作った「クレイジー・ハート」という歌も泣けるし、これがデビュー作という監督さんの次回作が楽しみ。

本日は、音楽のおねえさんに誘われるがまま逗子の海へ。日本の海水浴場なんてほんま10年ぶりくらい行ったので、曇り空だったけど妙にテンションが上がる。
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久しぶりに、あ、日本人って踊りたかってんやと思い出す程ブラジル音楽に乗って踊る人々を傍観する。