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7.23

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』

うっかり太陽の出てる時間なんかに外出してしまいあまりの暑さに本気で泣きそうになっているところスキンヘッドのサラリーマンに「クラブで働いてる方ですか?お店にいるなら会いに行きたいなと思って…」というわけのわからんナンパをされて、本当に思考停止。私が悪いのか??
そんな状態で見たからってわけじゃないんだろうけど大森立嗣監督(デビュー作はちゃんと一角座まで見に行った派)『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 に完全に乗り切れず。孤児院で育った青年たちが行き場のない孤独と怒りを抱えて文字通り盗んだバイクで走り出すという尾崎的世界を21世紀の今日に描くのは、まあ、男子っぽくっていいんじゃないと思わなくもないけれど、ケンタもジュンもカヨちゃんもその他のキャラクターも障害者の出し方も出てくる人間たちがあまりにもあまりにもなステレオタイプでしかなくさすがに安易過ぎる気が。特にカヨちゃん(安藤サクラ)が男が何をやっても最終的に受け入れてくれる聖母的存在であることと多部未華子の女性像には笑うことすらできなかった。カヨちゃんが誰からも愛されないのはバカでブスだからって言うよりバカでブスだから誰からも愛されないと信じてる自意識過剰な女だからって風にしか見えないし。役者が可哀想。
131分間そんなゆるい空気が漂う中、宮﨑将の芝居だけが凄まじく、面会シーンはものすごく緊張した。松田翔太は若いときの長門裕之に似ていると気付いた。あんなイケメン土方は間違ってもウチの組にはいません。

映画後、恵比寿のオサレなレストランにて友だちの誕生日祝いで盛り上がるも呑み足りねえなと一人向かった新宿で、初対面の映画関係の方が「シネ砦」を読んで下さってたらしく「本当にゴールデン街にいるんだね」と感心され、なんか笑えた。試写状ありがとうございました。