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9.01

『キャタピラー』

数日前からガリガリくんが歯にしみて、すっごい憂鬱な気分で数年ぶりに歯科に行くも特に虫歯ではないと診断されてめっちゃテンション上がるも、その数時間後に若松孝二監督『キャタピラー』を見てまたテンションは下がる。サービスデー&映画の日だからか場内はほぼ満席。しかもほとんど若いお客さん。
第二次世界大戦中戦地から四肢をなくして帰宅した夫と彼を支える妻を描いた反戦映画、それはそれは立派だとは思ったけれど、言葉も喋れない夫演じる大西信満と苦悩する妻演じる寺島しのぶのほぼふたりのやりとりで進む映画がこれでもかってくらい熱演に次ぐ熱演で見せられるのには85分の作品と言えども見てて途中で疲れてしまった…。奇形とのセックスとか妻の暴力とか言いたいことはわからなくはなかったんだけど、これが映画だとも反戦だとも微妙に思えず。非国民でごめんなさい、日本人じゃないから許して。
ただこれ、夫が戦地で敵国の女を強姦したことがトラウマみたいにフラッシュバックするのって、そのバチが当たってこんな体になったみたいな誤解を若い子に与えるんじゃないかと他人事ながらちょっと心配になったりした。チラシの佐々木希のコメントがヤバい(アホ代表みたいな若者タレントにこんな映画を見せようとする映画会社の意図もヤバいと思うけど)。

帰りに立ち寄ったキリンシティで、笑えるくらいおっさんに鑑賞される。夏は暑いだけじゃなく変な人が増えるから嫌いなのです。