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9.06

『東京島』

特に問題なし、と診断してるのになんやかんやと理由をつけて次回の予約を入れたがるおじいちゃん歯科医がただの私目当てなんじゃねーのと思ってしまうのはただの自意識過剰なんだろうかと独り悶々としながら篠崎誠監督『東京島』を見に行ったのでした。
桐野夏生の原作は読んだし監督御本人からも色々お話を伺ったり既に見た人から噂を聞いたりしていたので期待と不安入り交じりながらの鑑賞だったのですが、私は結構普通に楽しんで見れてしまった。
無人島に漂流したひとりの女と23人の男、原作小説をナレーションなんて使わずに不親切にまとめた脚本に感心したし、最初は主演の木村多江が原作のイメージとだいぶ違うなと思ったもののだんだん頭悪いくせに強かで厚かましい本当にイヤな女に見えてきて、良かった。男と話すときのアホっぽい喋り方が笑えた。彼女がもっと性欲に対して貪欲な姿を出して欲しかったという不満と最終的にいい人に見えかねないという不安は残るものの。あんな場所で撮影なんて日焼け対策とか超大変そう。あとやっぱり窪塚卍ライン洋介が抜群に良くて見てて楽しかった。ユタカとの会話よりもワタナベとのやりとりをもっと見たかったくらい。ただ彼以外の若い男衆が無人島にいるという設定にしては小綺麗過ぎたのはだいぶ残念であった。大友良英の音楽が素敵だったのでやっぱりもっと音響のいい劇場で見ればよかったとちと後悔(暑さに負けて近所で見てしまった)。
映画とはあんまり関係ないけど、中学生の頃の将来の夢がエルメスジャポンの人と結婚することだった私(未だ捨てきってはない)としては冒頭からあのオレンジが眺めれて嬉しかったりした。