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9.09

『ミラノの奇跡』

起きたら何故か夕方だったのでとりあえずシネマヴェーラさんの「映画史上の名作4」 に向かいラスト一本ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ミラノの奇跡』(51年)だけ見てみた。モノクロフィルム映画なのに日本語吹き替え、という大変珍しい体験。
映画開始数分後の、キャベツ畑に捨てられてた少年と彼を拾い育てたおばあちゃんが床にこぼれたミルクを河に見立てて遊ぶ姿を見ただけでもの凄い幸福感、その後成長した青年はホームレスの仲間に入るもののちょっとうざいくらいええ奴に育った彼はとにかく周りをハッピーにする、まさかラストで本物の天使まで現れるのは予想外だったけど、ホームレスたちがお日さんの当たる場所でとりあえずおしくらまんじゅうするのとか水を掘り当てたつもりが石油やった!とか(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ばりに火柱上がってた)青年が息を吹きかけるだけで道が出来るのとか、どこまで本気かわからない程のはちゃめちゃっぷりが楽し過ぎて大満足。青年の魔法で軍隊の声が高くなった軍隊と律儀に信号を守る天使には爆笑した。
と素敵な映画のおかげで私まで幸せな気分に浸れたのも超束の間、映画館を出た瞬間ほんまに待ち伏せしてたのかってタイミングで近づいてきた長髪男に突然「高級娼婦の仕事、興味ない?」と言われ、無差別殺人でも起こしてやろうかってくらい気持ちが荒む。やっぱり私が悪いのか。