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10.04

『悪人』

原作小説は好きやったし一度お酒をご一緒したことある吉田修一さんもめっちゃいい人やったしで御本人が脚本にも参加してるという李相日監督『悪人』を結構期待して見に行ってみたのだが、原作の好きだった部分が悉く違うイメージになっていて、個人的にだいぶ残念であった。なんか、「悪人」と書いて「実はいい人」と読むみたいな話になっちゃってて。そうなるとただのダサい恋愛話にしか見えなくて。燈台に行ってからじゃなくて行くまでのふたりと周りの人間を見たかったんですけどと思ってしまった。
映画としても盛り上がる部分がいちいちわかりやす過ぎてちょいちょいダサい(イカ刺しの目には笑ったけど)。絶対に音楽は久石譲じゃない方がよかったはず…(日本映画にもトロピック・サンダーの法則が適用されるとは!)。となると主役もブッキーじゃない方がいいんだろうし頑張ってるのはわかるけどだからウチの組にはこんなイケメンでスリムな解体工いません。深っちゃんも今更脱がないんだとびっくりした。セックスシーンはもうちょっと色っぽくてもいいんじゃないか。主役以外の役者さんが樹木希林も光石研も塩見三省もすごい良かったのはよかった。みんなが大絶賛の満島ひかりは、ほんまごめん、ほんまに無理。頼むからあと三分の一毛量減らしてくれ。でも彼女が持っていたヴィトンのバッグが私の私物かも知れないというトリビア。
しかしすっかり大ヒットしてるのかと思ったら既にバルト9の一番小さい劇場なのな。すっかり流行の波がわからない。