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10.19

『雪の喪章』

で、翔太と言えばあややでしょと、今更初めての神保町シアターさんにて開催中のみつめていたい!若尾文子特集に向かい、三隅研次監督『雪の喪章』(67年)を見てみた。さすがのあやや人気で場内ほぼ満席。
金沢の雪を背景に、戦前から戦後まで波乱に満ちた女の人生をあややがこれでもかってくらい美しく演じているのだが、いかんせんフィルムの退色がひどく、画面がほとんど赤。これがもっときれいな色で雪の白がちゃんと見えたらもっとうっとりできたんだろうなあとちょっと残念ではあった。が、もちろん映画はすこぶる面白く、あややと天知茂が部屋の中で会話してるだけの場面にじゅうぶんうっとりしたんですけど。自分の息子の女癖の悪さをすごい論理でかばおうとする姑が自分の祖母(父のおかん)と被りまくって、不謹慎ながら笑ってしまった。
本日の研究結果、あややの顔を左右するのはアイラインである。冒頭の嫁入り姿から大学生になった息子を見守るおばさんになるまで、徐々にアイラインが薄くなって最終的には完全に描かない(だけ)という老けメイクは本当に見事であった。それにしても何回見てもあややは母親に見えない。