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11.05

『義兄弟』

『映画は映画だ』以来次回作を超楽しみにしていたチャン・フン監督作品『義兄弟』を韓流スター目当てのおばさまでごった返すシネマート新宿さんにて鑑賞。
今回も前作同様男と男の友情物語がメインで、朝鮮半島における南の対北情報員と北の工作員スパイの絆というぶっ飛び具合も『映画は映画だ』に通じてて面白いなと思ったけれど、ちょっと今回はロマンチックな要素が甘過ぎるかなと思ったけれど(特にラスト)、それでも忠誠であるが故に裏切り者であるが故に忠誠であるとかなり複雑な南北の微妙な感情をだいぶかっこいいカーチェイス有り銃撃戦有り笑い有り涙有りの映画に仕立てるチャンさんとこんな映画を作る韓国はやっぱりすごいんじゃないかと。北朝鮮の人がこれ見てどう感じるのかはわからんけど。
ホモソーシャルぎりぎりの男臭さ(日本のチラシも見事なくらい男性のコメントのみ)がなんだか憎めないのは、男が本質的にどうしようもなく馬鹿な存在であることを全身で体現してるソン・ガンホがポイントかと。殴り合いシーンのゆるさには笑ったし最近の日本で中々ここまで美男じゃないのに主役張れる人って思いつかんし。もちろん相手役の人気スターらしいカン・ドンウォンくんのちょっと西島秀俊似の繊細なお顔も麗しく、ふたりのアップの連続が全然苦痛じゃなかった。前回の監督役さんがちゃんとキャスティングされてるのもよかったねと韓国映画に妙に肩入れするのは別に愛国心でもなんでもなく、単純に興奮したからなんだけどいかがだしょ。