12.20
『ひとつの歌』
久しぶりに登場、gojoメイツ3号杉田協士監督最新作『ひとつの歌』の完成試写にお呼ばれしたから楽しみにして行ってみたけど夜の22時からってどういうことやねんと突っ込む気満々で乗り込んだら想像以上のお客さんがいらしてて、びびった。
監督が数年かけて準備しほんとに少人数のスタッフで作られた今作は、これがまあなんとも他のどこでも見たことのないような映画で、個人的にはとても好きで、低予算なんだろうけど贅沢な時間を見たような、12年来の友人がこれを撮ってくれて良かったと思えた。ちょっと参った。相変わらず実家はでかかった。
本編約100分中で、まともな会話が交わされるタイミングに度肝抜かれる(その会話シーンがまた小憎たらしい程胸キュン)。わかりにくいとか説明不足とかそういうことを通り越して、ただ寡黙な青年がバイクに乗って移動してるだけの画面がひたすら続く時間は既にそこが日本なのか台湾なのかアメリカなのかすらわからない無国籍な事態になっていてでも確実に映画と物語は動いていて、それがまた切なくて。いろんなことがぎりぎり。でも大丈夫。
前から大好きだったけど主演の金子岳憲(ハイバイ) が今回は本当に凄い。彼の横顔だけで泣きかけた。あと、冷蔵庫の音に震えた。井川耕一郎さんの呑みっぷりに惚れた。塩見三省さんは当然素敵。しかし枡野浩一さんが映るだけで一瞬にしてホラー映画になったのには驚いた。
来年には池袋シネマロサさんで公開予定だそうなので、その際には、『告白』が大流行する世の中こんな映画もあるんだよと是非多くの方に見て頂きたい。boidの樋口泰人さんが私なんかよりもっとちゃんとした素敵な日記を書かれておりますでそちらもご一読を。思いっきりタイトル間違ってるけど…。