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12.22

『クリスマス・ストーリー』

クリスマス間近の浮かれポンチな恵比寿にアルノー・デプレシャン監督『クリスマス・ストーリー』 を見に行く真面目なあたし。サービスデーだからか満員御礼で何より。
母親の病気をきっかけに疎遠になっていた家族がクリスマスに実家に集まる、というお話自体は特に突飛なものじゃないと思ったんだけどよく考えたらかなりえげつない話な気が。母親の生存率を計算して黒板に書き出すとか子どもの骨髄を親に提供するのは当然のこととか、恐ろしいことするなあと心底ぞっとしたりもしたけれど、それでももちろんこの作品にはそんなことだけじゃない映画としても人生としてもどうしようもないくらいの自由で豊かな時間が流れているのは重々承知、なのだが。なのだが、現実的に超仲の悪い大家族に在籍してるgojoさんにはあーもーこれ以上はやめてーと言いたくなるような瞬間もあり、あまり冷静に見れなかったのだった。当然我が家は芸術に造詣が深いわけもなく死んだ兄弟もサスペンダーをつけてお皿を拭いてくれる可愛いパパもおばあちゃんのレズビアンの恋人もいないけどさ(私以上のしゃがれ声を久しぶりに聞いた)。その反面、150分と言わずもっともっと続いてほしいとも思い。透明のカーテン越しに裏か表かわからないコインを挟んで母ドヌーヴと息子マチューが見つめ合う瞬間、あーもーそーゆーことなのよねーとなんか笑ってしまった。
ほんとどうでもいいトリビア、ドヌーヴがデパートに行くとき持っていたヴォッテガのバッグは私とお揃い。かなりレアな限定品。