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1.31

『人魚伝説』

昼間、SNの双子に関してまったく気付かなかった!という声が続々届き、ああ私は独りじゃなかったんだと安堵する。

夜、数年前にDVDで『ハサミ男』を見て以来いつか作品をまとめて拝見してみたいと思い続けていた池田敏春監督『人魚伝説』(84年)を見るためにシネマヴェーラさんへ。
もちろん初見でどんな作品かの情報も持たずに見てみてタイトルとのギャップにびっくり、原発誘致に反対した旦那を権力者たちに殺された美し過ぎる海女の人妻がこれでもかってくらい人を殺しまくって復讐しまくる『キル・ビル』みたいなヴァイオレンスな映画だった。こんなに血が吹き飛ぶの「とんぼ」(長渕剛)の最終話以来に見たかもってくらいぴゅーぴゅーと鮮血が吹き出てた。そして機動隊が水圧で流されるくらい雨が降ってた。色々激しかった。
ラストの、主人公が槍一本で手当たり次第周りの人間を刺し殺すシーンにはこれなら原発一個作った方が死人少なくて済むんじゃないのとちょっと笑ってしまったが、白装束や素っ裸で本当に人魚みたいに水中に潜る白都真理の姿はうっとりするくらい美しく、旦那を殺したヤクザとのセックスシーンとその後の血みどろのやりとりは壮絶で、清水健太郎が演じるキャラクターの救いのなさは衝撃的で、過剰な勢いに気圧された110分間でございました。面白かったです。上映後には拍手が起こっていました。ただ、プール付きの家に住んでクルーザーを乗り回す土建屋がみんなここまで極悪人ってわけじゃないよとだけ独りごちておく。

の前に、牛原虚彦監督『怪猫謎の三味線』(38年)を見て、これはこれですごくかっこいい怪談映画でラストの舞台シーンにはかなり興奮した、が、いくら男を取られた復讐だからって猫を簪で刺し殺してはいけないのだ。まだ十代だろう森光子が可愛くてこれこそ化けもんやなと思った。