2.12
「アナクロニズムの会」
好きな映画監督は森崎東です。
なのでまだウィルス感は残るもののアテネフランセで開催されたアナクロニズムの会vol.17「職人芸と自主映画が出会うところ〜森崎東=高橋洋のTVドラマ」に強引に行ってみた。
90年にTVで放映された色川武大原作森崎東監督ドラマ『離婚・恐婚・連婚』が実は高橋洋監督の商業脚本デビュー作、という事実も今回初めて知ったしこんなドラマの存在すら知らなかった不勉強な私は15時から参考試写されたドラマも拝見。事前に読んでいた原作小説が既に森崎映画っぽいお話だなとはちょっと感じてたけど、小説の中の会話がほとんどそのまま脚本に使われていて、それは色んなエピソードの寄せ集めなのにちゃんとひとつの映画(ドラマか)になっていて、私が一応理解できる洋ビッチ作品に初めて出会えたとひとりで静かに感動してしまいました。もちろん、ぼろい一軒家の中を人が出たり入ったりドタバタと階段を転げ落ちたり会話したりテーブルの上でタップダンスしたり、久しぶりに見るはちゃめちゃなスピード感もすごい楽しかった。唐十郎と岸本加世子というキャスティングも期待通りで。どんな風に終るんだろうと思っていたらあのラストの温泉で、やばかった。
上映後の、七里圭監督司会による高橋洋監督のトークイベントも面白いエピソードがざくざく、準備稿から改訂稿に至るまでに高橋氏が森崎監督に叩き込まれた脚本術の内容がすごく素敵で、なんかええもん聞いたなあって気になれて満足、だったこのイベント数時間の間、え、なんで?ってくらい会場内が寒くて、終了後には完全に悪寒が再浮上。どのくらい私の身体が弱っているかと言うとなんと打ち上げに参加せずさっさと自宅に直帰したのだ。やばいでしょ。