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4.23

『SOMEWHERE』

昨夜は、樋口泰人さんのトークイベントが聞きたくて二回目のアピチャッポン監督『ブンミおじさんの森』をシネマライズさんにて。同じ映画を見直すことはほとんどしない派の私にしては大変珍しいことなのですが、もちろんもう一度見たいくらい面白かったっていう理由もあるけど、実は前回の鑑賞では中盤ちょっとウトウトしてしまってたのですねー。私としたことがなんて骨体と改めて気合いを入れて向かった、はずが、上映前の樋口さんのお話によるとなんとこの映画は精巧に眠気を誘うように作られていてむしろ寝なくちゃいけないんだというではないか。なんややっぱり私は正しかったんだと安心しながらも今回は無事一睡もせず完走。心の準備が出来てる状態で見るとかなり笑える映画だった。樋口さんはエロナマズがかなりお気に入りのご様子だった。

その前日にはソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』 を見たのだった。退院してから日付と曜日の感覚がおかしい病が治らなくて。
40歳を過ぎて子どもを産んでも尚相変わらずソフィアさんは今回もデビュー作から一貫して続くブロンド少女の金持ち故の孤独(共感なんか致しません)をおしゃれガーリー番長健在な映像と音楽で見せてくれる、と見せかけて実は今作はかなり過去の作品とは違うところへ行ってる気がして、非常に面白かったです。監督作の中では断然好き。終り方がちょっとダサくて残念やったけど。
華やかで空虚な芸能界に生きるどうしようもない男と離婚した妻が育ててる11歳の娘が高級ホテルで一緒に過ごす夏の限られた時間、いくらふたり一緒に車やヘリコプターで世界中を彷徨っても父親はフェラーリでサーキットを走ることしかできず娘はスケートリンクをくるくる回ることしかできない、今まで探してたはずのsomewhereなんかどこにもねーよという開き直りがかっこよく、プールサイドの絶対に重ならないふたりの姿に思わずジーンとしてしまった。エル・ファニングちゃんのひらひらした11歳の笑顔と涙が本当に眩しくて、このままお姉ちゃんみたいにいい女優になって欲しい。
ホテル大好きっ子としてはあのルームサービスの感じとかを見てるだけでも楽しかったのだが、さすがの私も部屋にプール付きのスイートルームは未体験で、31歳やけどパパにおねだりしてみようかと思った。