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5.13

官能1

なんとなくお久しぶりなシネマヴェーラさんで開催中の官能の帝国4日活ロマンポルノ群像に行って、曾根中生監督『現代娼婦考 制服の下のうずき』(74年)と藤田敏八監督『ダブルベッド』(83年)を見たよ。
『現代娼婦考…』の、主人公演じる潤ますみという女優がうつろな目と赤い唇で孤児院で生まれ育ち娼婦の子と苛められ最終的に従姉妹を殺す、怖いような哀しいような世界がもはやこれはエロではなく繰り返されるセックスも見てて息苦しくなって、ラスト車の洗車場の中で展開される殺害シーンでは長年の復讐を果たす女の姿が大変なことになっていた。予想はしてたけど、68分間ひたすら凄まじかったです。
しかしその前に見た『ダブルベッド』の面白さが予想以上で、若き日の柄本明や大谷直子が、多分今の私と同じ歳くらいで、結婚して子どもを産んでも立派な大人になりきれずだらだらしてる様が見てて恥ずかしいくらいの生々しさで、必要以上にドキドキしてしまった。あの小料理屋から家のリビングへのあたりが特に。内容自体は人妻が旦那の友だちと不倫したってだけのどうってことない話だしこれが80年代の空気ってやつなのかもしれないけど、今でも十分に今の映画だった。ここでのセックスも確かにリアルだけどそれがもはやエロいのかは微妙、というか、いくら美人でもこんなけチリチリパーマだと色気も半減するんだなと思った。岸部一徳が矢部浩之似だったとは意外だった。今までぽつぽつとしか見たことない藤田監督作品を是非まとめて見てみたいと思いました。

観賞後既に閉店していた一階のカフェで店員さんの御好意により用意して頂いたアイスコーヒーを、その数秒後に思いっきりぶちにまけて床をずくずくにしてたのは私です。ごめんなさい。