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6.06

『日本侠花伝』

もちろん、加藤泰と加藤鷹を聞き間違えた過去(結構最近やけど)を持つ私がどう頑張っても榮倉奈々クンにはなれないと重々承知しつつもついシネマヴェーラさんで始まった加藤泰傑作選に行って『日本侠花伝』(73年)を見てしまって、泣いてしまった。
頼りない坊々男と駆け落ちするも失敗し身投げしたところを助けてくれたヤクザの親分と結婚した若い娘が立派な姐さんになるのだが実はそれはそれは哀しいラブストーリーで、 休憩ありの150分という長丁場なのに映画が終ってしまうのが哀しいくらい面白かった。休憩の挟み方までかっこいいのが憎らしいくらい。
獄中で出会ったオアシズ大久保さん似の姐さんのかっこよさとか無口な渡哲也の渋さとかいちいち言い出したらキリがなく、無言でグラスを握りつぶしてからの突然のキスはマッチョな男は大嫌いとか言いながら胸キュンを押さえきれず。喧噪と静けさのバランスに痺れ、長田組組長にさえ萌えてしまう自分がよくわからなくなった。主人公が警察から不当な拷問を受けるシーンがやたらとエロくて本格的なSMみたいになってたのと、ラストの超クライマックスの決闘シーンで敵のチンピラにひとり常軌を逸した毛深さの俳優がいた(しかもやたら目立ってて)のには思わず笑ってしまったのは反省。「お前が可哀想だ…」にはちゃんと涙しましたけど。